<概要>

 一帯は、十和田八幡平国立公園のエリアに含まれ、標高1,614mの八幡平から南へ1,500mクラスの峰々が連なり、駒ヶ岳、岩手山へと続いている。
 特に岩手山は標高2,038mで、石川啄木や宮沢賢治の作品に取り上げられ、多くの人々に親しまれている。
 又、駒ヶ岳高山植物帯、千沼ヶ原等、原始性に富んだ植物帯は学術上の価値もきわめて高い。
 附近には、網張、国見、滝ノ上、玄武、ぬくもり雫石、鶯宿温泉等があり、登山者の疲れを癒してくれる。

岩手山(いわてさん) <標高  2,038.2m>
<雫石町・滝沢村・八幡平市>
 盛岡市の西北盛岡平野と八幡平高原の中間にどっしりと構えた大型の活火山(コニーデ型)である。4町村にまたがり、平野部のどこからでも望める県内最高峰のこの山は、富士山型の雄大・秀麗な山容から、南部富士の別名で親しまれ、昔も今も南部地方の象徴的な存在となっている。
 名称の由来は、乱暴を働いた鬼が改心の約束のため、岩の上に手形を押したことによるという説の他、3説ある。山体は、生成の古い西岩手火山とその東部に新しく生成した東岩手火山からなり、最高峰は薬師岳である。西岩手火山の大地獄カルデラは、東西2,500m、南北1,500mあり、北側が屏風岳、南側は鬼ヶ城と呼ばれる。御苗代湖、御釜湖の火口湖があり、お花畑といわれる植物群落が見どころ。一方、東岩手火山の鬼又沢カルデラは東西1,250m、南北1,700mあり、山頂は御鉢、火口は御室と呼ばれる。また、北東斜面の国特別天然記念物・焼走り熔岩流は享保4年(1719年)の噴火で流れ出たもので、その荒涼たる眺めは噴火時当時の激しさを物語る。

駒ヶ岳(こまがたけ) <標高  1,623.0m>
<雫石町・仙北市>
 十和田八幡平国立公園の最南端に位置し、秋田・岩手の県境にまたがる美しい山である。
 「駒ヶ岳」とは総称で、寄生火山の主峰男女岳と馬蹄型カルデラを形成する外輪山の最高峰男岳や火山丘の女岳、横岳等の峰、湿地及び火山原からなり「秋田駒」とも呼ばれる。
 山名は、初夏の残雪の頃に山腹へ奔馬の姿が現れるという伝説にちなむ。
 岩手山と同じコニーデ火山(円錐二重式火山)で変化に富んだ火山地形とコマクサに代表される数百種に及ぶ高山植物の宝庫として知られる。山頂一帯が国の天然記念物に指定されていて、高山植物の愛好者ならずとも一度は歩いてみたいルートである。

八幡平(はちまんたい) <標高  1,613.6m>
<八幡平市・仙北市・鹿角市>
 2県4市町村にまたがり奥羽山脈の脊梁を成す山を中心とする高原一帯と、その東の源太森・茶臼岳、南の畚岳・藤七温泉、西の蒸ノ湯・焼山一帯を含む総称として用いられる。
 山名は、坂上田村麻呂の残賊の征伐に由来する。八幡平一帯は牛の背のような、あるいは楯を伏せたような山容で、アスピーテ型地形をなしており、八幡平湿原の中に清らかに神秘をたたえる八幡沼がある。八幡沼と蟇沼は、複式火山湖で、八幡沼は東西方向に並んだ5つの小さな火口が同じ水面でつながったものである。平成5年には、アスピーテラインの循環ルートとして「八幡平樹海ライン」が開通し、雄大な岩手山の姿を望みながら国立公園の大自然を満喫できる絶好のドライブウェイとなっている。県境には駐車場、レストランハウスも完備されている。

山岳ガイドトップ